こちらが私たちがお勧めする猫ちゃんの食事バランス。100頭を超える猫の健康診断結果、手作り食の栄養分析、ネコ科動物の生物学・解剖学、臨床栄養学、東洋医学のすべての観点からたどって行き着いたゴールデンバランスです。
割合は見た目でOK！
お肉・お魚などのタンパク質食品を中心に野菜少々。炭水化物も普通のペットフードよりもずっと少なくなっています。
たんぱく質食品 ＋ 動物性脂肪（エネルギー・体を作る）
人間や犬とは異なり、猫ちゃんは完全な肉食動物。カロリーのほぼ全てを肉や魚などの動物性たんぱく質と動物性脂肪から補う必要があります。
ボクたちは肉を食べるために進化してきたんだニャ
鶏肉、ラム肉、牛肉、七面鳥肉など。筋肉や血液を作り、必要な動物性脂肪を補給。生または軽く加熱して与えます。猫ちゃんは動物性脂肪も受けつけやすいので鶏肉の皮や脂身を除く必要はありません。脂身は酸化しやすいので調理する場合は除くようにしましょう。
骨はカルシウムのほか、他の食材ではなかなか補えないミネラルをバランスよく含んでいます。
うちのワンコ・ニャンコに合うお肉はどれ？
骨給与ガイド
生にする？加熱調理する？
生で与える場合は刺身用を選んで。調理する場合は骨を除きます（イワシなどの小魚以外）。白身魚、青魚など旬に合わせていろいろな種類を。筋肉を作るとともに、抗炎症効果の高いオメガ3脂肪酸やビタミンDを供給してくれます。
うちのワンコ・ニャンコに合うお魚はどれ？
レバー、ハツ（心臓）、マメ（腎臓）など。内臓肉は天然のビタミン・ミネラル剤。現代の犬猫の多くの不調は内臓肉を与えるだけで解消します。週に 1～2 回、肉や魚の代わりに主食として、または、主食の肉や魚に少量を毎日加える形で与えます。与える量の目安は体重1 kgあたり1日1 gずつ。レバーを与えすぎるとビタミンAや銅が過剰になるので注意が必要です。
猫ちゃんは自分でタウリンを作ることができないので、タウリンが豊富なハツも取り入れるようにしましょう。
内臓肉給与ガイド
卵にはコリンやビタミンD、ビタミンEなど肉や魚だけでは補いにくい栄養素が含まれています。新鮮なものなら生のままでも大丈夫。卵黄は生の方が栄養価が高く、卵白は加熱した方が消化吸収率が良くなります。
卵を与えるとお腹がゆるくなるのはなぜ？
カッテージチーズ、ヨーグルトなど。健康のためには主食ではなく、肉や魚に足す程度がおすすめ。猫ちゃんはには豆類などの植物性のタンパク質食品はおすすめしません。
複数の種類のお肉やお魚を日替わり〜週替わりでローテーションするのがおすすめ。例えば、赤肉は鉄分が多い代わりにオメガ3脂肪酸が低く、魚はその逆。さまざまな種類の食材を取り入れることで栄養の偏りを防ぐことができます。
野菜・果物（抗酸化＋抗炎症）
野菜や果物には天然のビタミン、抗酸化成分、抗炎症成分がたくさん詰まっています。上手に取り入れて病気を積極的に予防しましょう。猫ちゃんは野菜の消化が苦手なので、加熱して細かく刻んだり、ピューレにして与えます。発酵させると、自然の状態により近くなり（ネコ科動物が捕食する草食動物の胃の中と同じ状態になる）、消化しやすくなります。
- ブロッコリー
- カリフラワー
- アスパラガス
- にんじん（すりおろしやみじん切りなら生でもOK）
- キャベツ（生でもOK）
- きのこ類（生でもOK）
- インゲンなど
- ピーマン・パプリカ
- アルファルファ・スプラウト
- 葉物野菜
- 果物
- ラディッシュ・大根
- しょうが・パセリ・ローズマリー等のハーブ類
色が濃い緑色葉物野菜や果物を旬に合わせて使うのがおすすめ！
野菜は切って与える？それともミキサーで混ぜる？
無塩発酵野菜の作り方
犬猫に与えてはいけない食物
抗酸化サプリメントの上手な与え方
炭水化物食品（エネルギー）
猫では、米、小麦、芋類など、本来の食性に合わない炭水化物食品の摂りすぎが炎症を起こし、さまざまな病気の原因になっています。末期の腎臓病や肝臓病でタンパク質制限が必要といった特別な理由がなければ与える必要はありません。
かぼちゃ、じゃがいも、さつまいも等もでんぷん質が多いため、避けたいところですが、便秘に効果を示すことがあります。
便秘しやすい子は、まずは動物性食物繊維（鶏皮、豚耳、モツなど）やトライプ（善玉菌＋動物性繊維）、野菜を試してみましょう。
炭水化物ガイド
ペットのメタボについて考えよう
食物繊維 (プレバイオティクス)
プロバイオティクス (善玉菌)
大丈夫です。
肉や魚、卵、内臓肉だけできちんとカロリーを与えるようにしましょう。
ただし、末期の腎臓病や肝臓病、脂質代謝障害、膵炎など一部の疾患では、タンパク質量や脂質量を抑えるために炭水化物食品でカロリーを補う必要があります。
肥満、糖尿病などの生活習慣病や関節炎、胃腸の弱り、繰り返す膀胱炎、外耳炎、がんといった慢性炎症性疾患にかかりやすくなります。
ペットのメタボについて考えよう
10%未満が理想的！
食材の種類や品種、一頭一頭の体質、抱えている病気によって適切な量は異なりますが、猫ちゃんの場合は一般的に10%未満に抑えることが理想的です。これから手作り食を始める方はこの範囲で開始し、体重や脂肪・筋肉のつき具合、便通、毎年の健康診断結果を見ながら調節していくといいでしょう。
手作り食の経験がある獣医師であれば、一頭一頭の状態や血液検査結果をみて適切な食材や量を判断してもらうことができます。
さまざまな病気を引き起こすグルテン
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サプリメント・機能性食品
毎日の食事だけでは不足するビタミンやミネラルは特別な食品やサプリメントで補う必要があります。
- ヨウ素（海藻・昆布などで補う）
- オメガ3脂肪酸（最低必要な量は魚で補えるが、疾患の予防や治療には多めの量が必要）
- タウリン（肉・魚・内臓肉など。冷凍保存や調理によって壊れるので多めに与えるかサプリを利用）
このほか、ライフステージや生活習慣、年齢、疾患に合わせて必要な機能性栄養素を取り入れて行きましょう。
参考 サプリメントガイド基本の栄養素から疾患対策まで 参考 うちの子に必要な栄養素の量は？ライフステージ別栄養計算機
手作り食クイックスタートガイド
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