春は新しい芽吹きと成長そして再生の季節です。冬のよどみによって溜まった老廃物や毒素をすっきりと取り除いて、全身の細胞の活性化と再生を促しましょう。
この季節に大切な臓器は肝臓。解毒器官であり、血液やエネルギー(気)を動かして、スムーズに循環させる役割を持っています。漢方医学では神経系も司るといわれていますが、これは肝臓がきちんと働かないと、使い終わったホルモンや神経伝達物質の代謝分解がうまく進まず、内分泌系や神経系のバランスが乱れるため。犬や猫では、落ち着いて眠れない、気分の浮き沈みが激しい、不安症が激しくなるといった精神面の不調が現れやすくなります。
肝臓はオーバーヒートしやすい臓器でもあるため、きちんと休ませていたわることも大切です。月1回でもいいので夜だけ食事を抜いて胃腸が空になる時間を作ると肝臓も休むことができます。特にこの季節に無駄吠えが多くなる、攻撃的になる、目が充血する、暑がる、歯茎から出血しやすい、水をよく飲むといった症状が現れたら肝臓が働きすぎているサインかもしれません。
もう一つ気をつけたいのが春の「風邪(ふうじゃ)」の影響。外から体内に侵入して病気を起こす因子で、春の強い風に運ばれて飛んでくるホコリや花粉、ウイルスがこれにあたります。目や皮膚など体表部にとどまることがほとんどですが、体内の病邪や内臓の弱りと合わさると、体の奥まで入り込んで重症化することがあります。ノミアレルギーや環境アレルギー(アトピー)を起こす子は、体の内と外からの早めケアで対策をとりましょう。