ハーブを育てるのは犬や猫を育てるのに似ていますね。放っておいても育つものもあれば、ちょっとしたコツや上手な管理が必要なものもあります。大切に育てた植物はパワーもいっぱい。自然の持つ力を愛犬や愛猫の健康管理に存分に生かして、循環させましょう。初心者の方でも比較的簡単に育てることができる薬用ハーブを集めました。
鉢植えで育てる家庭常備薬(1)鮮やかな黄色〜オレンジ色の花を咲かせるカレンデュラ(トウキンセンカ)。犬と猫のスキンケアに欠かせないハーブです。
庭に植えておくと毎年勝手に育って花を咲かせてくれますが、日当たりさえよければ室内の鉢植えでもよく育ち、インテリアとしても毎日の生活を華やかにしてくれます。
開いた花を順番に収穫し、直射日光を避けた場所で乾燥させてから使います。ある程度たまったらハーブティーにしたり、バームやクリーム作りに挑戦しましょう。
一番手軽な使い方はハーブティー。小さじ1〜2杯に熱湯1カップを加え15分ほど置きます。薬浴剤や湿布、アイマスク、スプレーとして使うことができます。もちろん飲んでもOK。
- 薬浴剤:お湯をはったバスタブやシンクに加えて。さまざまな理由によるかゆみや皮膚の炎症の抑制に役立ちます。ネットに入れて直接浴槽に浸すと、人用の入浴剤にもなりますね。
- 湿布・アイマスク:冷ましてからコットンや布に浸して患部に当てます。湿疹、ホットスポット、結膜炎、赤く腫れた外傷などに。
- スプレー:患部の洗浄に。数日中に使い切るようにしましょう。
- 内服:体重 10 kg あたり1/4〜1/2カップを数回に分けて。そのまま飲ませても、食事や水に混ぜることもできます。
- 浄化
- 抗炎症
- 抗菌(細菌・真菌)
- 皮膚の修復
背の高い植物なので、少し大きめの鉢植えがおすすめです。ベランダや庭の方が育てやすいですが、室内でも日当たりと水はけに気をつければ十分育ち、香りを楽しむことができます。
カレンデュラと同じように開いた花から収穫していき、乾燥させてから保存します。
外用薬としては、鎮静作用が高く、カレンデュラよりもマイルドな抗菌・抗炎症作用があります。小さじ2〜5に熱湯1カップを注いで15〜30分置き、薬浴剤、アイマスク、湿布、スプレーにします。カレンデュラと混ぜるとかゆみを抑える効果が高くなります。
内服では、抗不安作用があり、ストレスによる軽度の下痢に効果があります。特に水タイプの怖がりさんにおすすめ。外用と同じようにハーブティーを作り、体重10 kg あたり1日1/4〜1/2カップを目安に与えます。そのまま飲ませても、食事に加えてもかまいません。
- 抗不安・鎮静作用
- 軽度の下痢を改善
- 利胆
- 温める
- 抗炎症
- 抗菌
- 抗アレルギー
種ではなく株から育て、株分けやさし木で増やしていきます。
使用するのは葉の中のゼリーの部分。外皮とゲルの間の黄色〜オレンジ色のラテックス層(アロエラテックス)を誤って口にすると、嘔吐、下痢などを起こすので注意しましょう。
外用薬として、切り傷、やけど、膿瘍、感染、湿疹などの皮膚病変にゼリーを直接当てると皮膚の治癒を促進します。猫のウイルス性結膜炎や口内炎にも使用することができます。
内用としては、腸の蠕動運動を促進する作用があるため、便秘の改善に役立つことがあります(体重 1 kg あたり0.5〜1.5 mL を目安。効果が現れるのは数時間〜半日後)。特に便秘中にイライラしたり眠れなくなる犬猫に向いています。ただし、常用すると胃腸を冷やしすぎるため気をつけましょう。
- 下方への排出を促す(緩下剤 )
- 肝臓の熱を鎮める
- 創傷治癒の促進
- 抗炎症
「カレンデュラの育て方」「カモミールの育て方」「アロエの育て方」でネット検索してみましょう。初心者でも簡単に栽培することができます。 ドライハーブの作り方