犬と猫は肉食動物から発生
私たちのサイトは、少しでも多くの方に手作り食の素晴らしさを知っていただくために、手作り食を実践している獣医師、動物看護士、そしてたくさんの飼い主の方々の体験をもとに作られています。
みなさんに最初に知っておいていただきたい一番大切なことは、犬と猫はもともと肉食動物であったということです。肉も穀物も食べられる雑食動物の私たち人間とは、生物学的に異なっています。
特に猫ちゃんは完全な肉食動物。肉や魚などの動物由来で、タンパク質と脂肪が豊富な食品をうまく消化できる胃腸を持っています。逆に、お米や小麦、野菜などの植物性食品を消化するのに必要な酵素はあまり持っておらず、体内に入ってきた糖質をうまく処理することもできません。そのため、こういった食物を与えすぎると体に負担をかけ、炎症を起こしてやがて病気となって現れます。実際に猫ちゃんの病気や不調の多くは、穀類などの炭水化物食品の摂取をやめるだけで解消することがよくあります。
それに比べるとワンちゃんは私たちにずっと近く、植物性食品の利用に必要な遺伝子もある程度持っています。それでも主食はやはり肉や魚などのタンパク質食品です。私たちのようにお米やパンを主食にしていると、体の中に不必要なものがどんどん溜まっていき、病気を引き起こします。
これから手作り食を始める方は、犬猫は私たち人間とは違うのだということをぜひ知っておいてください。
「こうでなければいけない」という答えなし!
手作り食の最大の利点は一頭一頭の体質に合わせてカスタマイズできることです。どの犬猫にも同じ食事を与えるのであればペットフードと変わりませんよね。
私たちは最低限必要な栄養素の量や守ってほしい食事バランスをお伝えすることはできますが、基本を理解したらあとは飼い主様ご自身が愛犬や愛猫の観察を行いながら食事内容を調節していくのが理想的です。この過程では、今までの先入観やこだわりを捨てる必要も出てくるかもしれません。
本サイトでは、基本的な栄養学の知識から手作り食のカスタマイズ方法、私たち自身が診療を行う上で疑問に思ったこと、獣医師・飼い主の方々から寄せられた質問まで、さまざまな専門書や専門家の意見、科学研究論文を取り入れながら一つ一つ答え、初めての方にもわかりやすいよう丁寧な解説を心がけています。