まずは猫ちゃんが摂取するカロリーのほぼすべてを占めるお肉とお魚の量を決めましょう。
野菜や果物、炭水化物など、その他の材料を目分量で加えていきます。
手作り食で不足しやすい必須栄養素が補えているかチェック。補えていない栄養素は別の食材やサプリメントで補いましょう。
せっかくの手作り食も冷たいままだと病気のもとに。健康のためには人肌程度に温めるのがコツ。
定期的に体重とウンチを確認して食事を調整していきましょう。
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Step 1 必要なカロリーとタンパク質の量を知る
まずは猫ちゃんの主食であるタンパク質食品(肉・魚)の量を決めましょう。活動レベル、食事の回数、体重を入力してください。
- 赤肉、鶏肉、白身魚、青魚など複数の種類の肉や魚を日替わりまたは週替わりでローテーションしましょう。栄養の偏りを防ぐことができます。
- レバーや腎臓、ハツ、トライプなどの内臓肉と卵を少量ずつ取り入れるようにしましょう。他の食材ではなかなか満たせないビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。食事全体のごく一部なので、タンパク質量やカロリーは気にする必要はありません。
Step 2 野菜・果物・炭水化物食品を加える
野菜や果物には抗酸化効果の高い栄養素がいっぱい。穀物や芋類などの炭水化物食品は素早く利用できるカロリー源になりますが、猫ちゃんは糖質の処理があまり上手ではないので与えすぎないよう注意しましょう。
だいたいの目分量でOK!
- 野菜・果物(全体の10%):数種類をひとつまみずつ。生のままだと消化しにくいため、軽く火を通すか、細かく刻んだり、ピューレにしてあげましょう。
- 炭水化物食品:与える場合は全体の10%未満を目安に。
- ブロッコリー
- カリフラワー
- アスパラガス
- にんじん(すりおろしやみじん切りなら生でもOK)
- キャベツ(生でもOK)
- きのこ類(生でもOK)
- インゲン
- かぼちゃなど
- ピーマン・パプリカ
- アルファルファ・スプラウト
- 葉物野菜
- 果物(ブルーベリー、りんご、パイナップルなど)
- ラディッシュ・大根
- しょうが・パセリ・ローズマリー等のハーブ類
- ごぼう・レンコン・ビーツなどの根菜
- グローブアーティチョーク・エルサレムアーティチョーク(菊芋)
- ヤーコン・里芋・山芋・さつまいも
- アスパラガス・ダンデライオン・フェンネル
- りんご・バナナ
- 亜麻仁など
猫ちゃんには動物性食物繊維もおすすめです。
- かぼちゃ、じゃがいも、さつまいも等のでんぷん質が多いためおすすめしませんが、便秘に効果を示すことがあります。
- 野菜は細かく刻んだりミキサーで混ぜると吸収されやすくなります。
- 米・玄米
- 小麦・大麦・オーツ麦
- とうもろこし
- ソバの実・ソルガム
- じゃがいも・さつまいも・かぼちゃ
- ミレット(きび・あわ・ひえ)・キノア
- いずれも加熱が必要です。
- 猫ちゃんは炭水化物ゼロでもOK。その分、お肉やお魚の量を増やしてあげましょう。
Step 3 ビタミンやミネラルをチェック
食事だけだと不足しやすいビタミンやミネラルはサプリメントで補う必要があります。もう一度、猫ちゃんの活動レベルと体重を入力してください。必要な栄養素の量が自動表示されます。
表示される量は1日分です。サプリではなく自然素材を使いたい方のために、身近にある食材も例として掲載しました。ご自分やご家族がお使いの人用のサプリメントを使用することもできます。タウリンは、食品中の含有量の変動が大きく、保存や調理中に壊れやすいため、サプリメントの使用がおすすめです。
Step 4 温度を調節する
せっかくの手作り食も冷たいままだと病気のもとに。人肌程度に温めて、健康を守りましょう。
- 生で与える場合:湯煎にかけるか熱湯少々を混ぜましょう。
- 調理する場合:祖熱がとれたら与えましょう。
- 生肉を与える場合 1口大に切り、1回分ずつに分けて、3日間冷凍保存(寄生虫予防のため)。与える前日に冷蔵庫に移して解凍。
- 生魚を与える場合 刺身用を選ぶ。
- 調理する場合 浅鍋またはフライパンに水を少し入れて熱し、1口大に切った肉または魚を入れて「水炒め」に。加熱しすぎないのがコツ。大量に作っておいて、1回分ずつ小分けして冷凍保存も可能。
- あらかじめ調理したものを準備しておく
- 調理した場合は祖熱を取ってから与える
- 生の場合・解凍した場合は熱湯少々を回しかけ全体を混ぜる
- 冷たいまま与えると消化器障害を起こすので注意
- サプリは熱に弱いものがあるため最後に加える
- 生で与える場合 穀類と野菜を調理し、祖熱が取れたら一口大にカットした生肉、内臓肉、卵、刺身を混ぜ、1食分ずつに小分けして冷凍。与える前に、最低3日間は冷凍する(寄生虫予防のため)。
- 調理する場合 穀類や芋類はあらかじめ調理しておく。大鍋に材料をすべて入れ、軽く煮る。煮汁と一緒に1食分ずつ小分けし、すぐに与えない分は冷凍保存。
- 熱湯少々と混ぜる
- 湯煎にかける
- 小鍋で軽く煮る・・・など
- 冷たいまま与えると消化器障害を起こすので注意
- サプリは熱に弱いものがあるため最後に加える
Step 5 体重とウンチを確認!
食事の切り替え時や体重管理中は1週間に1度体重を計り、食事の量を微調整しましょう。体重が安定したら1ヶ月に1度の測定で大丈夫です。
- まずは、おやつや炭水化物量を減らしましょう。猫ちゃんは完全な肉食動物ですから、でんぷん質の多いジャガイモ、サツマイモなどの芋類や穀類は与えなくてもかまいません。
- それでも増える場合はお肉やお魚の量を1割減らしてみましょう。例えば、1日100 g与えている場合は、10 g 減らして1週間ほど様子をみます。少しずつ減らしながら体重がちょうど維持できる量を見つけます。最低限必要なタンパク質量(上の計算機で確認できます)を維持できるよう注意しましょう。
- カロリーの低いお肉やお魚を選ぶようにします(脂肪のない赤身肉、鶏ムネ肉・ささみ、白身魚など)。
- 活動レベルを過大評価している可能性もあります。必要なカロリーをもう一度確認しましょう。
手作り食に切り替えると痩せるのが普通です。安全な減量率は週に体重の0.5〜2%。これよりも減り方が早い場合は次を見直してみましょう。
- お肉やお魚の量が足りているか、もう一度確認しましょう。
- 全体の割合を守りながら、お肉とお魚をそれぞれ少しずつ増やしていきます。
- 活動レベルを過小評価している可能性もあります。必要なカロリーをもう一度確認しましょう。
ペットフードから手作り食に切り替えるとほとんどの猫ちゃんはスリムになります。
便の固さや形状、回数は腸管の健康のバロメーターです。毎日チェックする習慣をつけましょう。形がしっかりとしていて、「固すぎず、柔らかすぎず」が理想です。色は食事の内容によって変わるので、下痢をしている時以外は気にしないで大丈夫です。
うんちの健康度チェッカー- 食事を変えたあとは便が柔らかくなることがあります。数日経過しても治らない場合は、野菜をミキサーにかけてピューレにしてみましょう。それでも治らない場合は炭水化物と野菜の量を減らします。
- 乳酸菌製剤やトライプ与えましょう。
- 生骨を与えるとウンチが固めになります。
- 生で与えている場合は加熱食にしてみましょう。
- それでも柔らかい場合は、食物アレルギーの可能性を考慮します。