人には健康的な食材でも犬猫にとっては危険なことがあります。与えてはいけない食べ物を前もって知っておきましょう。
絶対に与えない
アルコール | すべての犬猫ではないが、アルコールに非常に敏感な犬猫がときどきいる。嘔吐、下痢、興奮、沈うつ、発声、混乱などの症状を呈し、死に至る場合もある。 |
カフェイン | 心血管系・神経系に作用し、頻脈、けいれんなどを起こす。 |
キシリトール | インスリン分泌を刺激し、低血糖症状(脱力、嘔吐、けいれん、食欲廃絶など)を起こす。重症例では肝不全を起こし、死に至ることがある。キシリトールを含む人用の菓子類(”シュガーレス”と書かれていることが多い)は与えないこと。人用のマウスウォッシュやサプリメントの誤飲にも注意する。体重 1 kg あたり 0.1 g以上、摂取後15〜30分で症状が現れやすい。 |
たまねぎ 長ネギ あさつき わけぎ等 |
赤血球を破壊し、貧血を起こす。嘔吐、下痢、流涎、貧血症状(粘膜蒼白、脱力、食欲廃絶、元気消失、呼吸や心拍が早くなる)、溶血症状(黄疸、血尿)などが現れるが、症状が現れるまでに数日かかることがある。生でも加熱しても、ごく少量(体重1kg あたり 5~10 g)で中毒を起こす。オニオンパウダーが使用されるスナック菓子にも注意。猫、低ナトリウム・高カリウム血症を示す柴犬および秋田犬は特に注意が必要。 |
チョコレート ココア |
特に犬で注意。テオブロミン、カフェイン及びテオフィリンが心血管系および神経系に作用し重篤な症状を引き起こす。嘔吐、下痢、パンティング、興奮、ふるえ、不整脈、けいれん、昏睡などの症状がみられ、死に至る場合もある。テオブロミンの中毒量は、体重1kgあたり 90~200 mg以上。ミルクチョコレートなら約 40 g以上、ダークチョコレートやココアパウダーなら約 20 g以上 に相当。 |
ぶどう レーズン |
原因物質は不明だが、特に犬で大量摂取による急性腎不全が報告されている。報告される最小毒性量は犬で 11 g/kg。猫でも少数の報告があるので注意が必要。急性腎不全の症状は、嘔吐、下痢、血便、食欲廃絶、沈うつ、腹部痛など。摂取後4-6時間後に起こることが多い。サプリメントによく使われているグレープシードエキスは量を守れば問題なし。 |
マカダミアナッツ |
犬 元気消失、低体温、脱力、嘔吐、ふるえ、頻拍などが報告されている。摂取後1〜12時間以内に起こることが多い。血清リパーゼ濃度の上昇が数日間続く。特に犬で注意。体重 1 kg あたり2.2 g以上で起こりやすい。 |
注意が必要
少量なら問題が起こることはほとんどありませんが、大量摂取による事故が報告されている食べ物です。
アボカド | 大量に摂取すると、ペルシンという化合物が嘔吐を引き起こすことがある。中型~大型犬では、種が喉に詰まることがあるため、丸ごと与えないようにすること。少量であれば、オメガ3脂肪酸源となる。 |
アプリコット あんず |
種、葉、ヘタにはシアン化物が含まれるので、これらを取り除いてから与えること。 |
アロエ |
外皮とゲルの間の層(アロエラテックス)を誤って摂取すると嘔吐、下痢などが起こる。アロエの葉内部の透明なゼリー状の部分には問題はない。外用薬としてアロエの葉を丸ごと使用する際には、犬・猫が舐めても大丈夫なように黄色~オレンジ色のラテックス層が混ざりこまないようゼリー部分のみを分離する。 |
いちじく |
多くの場合は問題ないが、まれに少量の摂取で胃腸障害が起こる場合がある。 |
牛乳 乳製品 |
成犬・成猫は牛乳に含まれる乳糖をうまく分解できないことが多く、下痢を起こす。牛乳のタンパク質が食物アレルギーの原因になることもよくある。 |
ココナッツ |
ココナッツの実、ココナッツミルク、ココナッツオイルは消化不良を起こしやすく、嘔吐や軟便、下痢になりやすい。与えたい場合は少量から始めること。 |
さくらんぼ |
種、葉、ヘタにはシアン化物が含まれるので、これらを取り除いてから与えること。 |
魚の内臓 |
魚の内臓には食中毒の危険性があるほか、チアミン(ビタミンB1)を破壊するチアミナーゼという酵素が含まれており、チアミン欠乏症の原因になる。 |
じゃがいも |
芽の部分に含まれるソラニンが消化管障害や神経症状を起こすことがあるので、芽を除いてから調理すること。 |
ダイオウ(リュバーブ) |
葉は可溶性シュウ酸塩の濃度が高いため与えないこと。消化管内でカルシウムと結合してカルシウムの吸収を阻害し、低カルシウム血症を生じる場合がある。ふるえ、流涎、脱力などの症状を生じる。まれに腎障害を生じる。 |
ナツメッグ メース |
多量摂取で腹痛、下痢などの消化器障害を起こす。 |
肉の脂身 |
動物性脂肪は犬猫いずれでも重要な栄養源だが、過剰な摂取は膵炎を引き起こすので注意が必要。特に調理した脂身や加工食品で起こりやすい。ソーセージ、ベーコン、サラミ、焼肉やステーキの脂身などは与えないこと。特に犬で注意。 |
にんにく |
少量なら健康効果あり(猫・小型犬1/8片、中型犬1/4片、大型犬1/2片を目安)。長期間大量に与えると、貧血、接触皮膚炎、ぜんそく様症状が現れることがある。 |
パン生地 ピザ生地 |
加熱調理されていないものを与えると消化管の中で発酵し、アルコールが生成する。また、胃の中で膨張して腹部痛を起こす。 |
プラム |
種、葉、ヘタにはシアン化物が含まれるので、これらを取り除いてから与えること。 |
もも |
種、葉、ヘタにはシアン化物が含まれるので、これらを取り除いてから与えること。 |
りんご |
種、葉、ヘタにはシアン化物が含まれるので、これらを取り除いてから与えること。 |
レモン オレンジ ライム |
柑橘類を好む犬や猫は少ないのでほとんど問題ないが、丸ごと大量摂取した場合に皮、ヘタ、葉、種子に含まれる精油やクエン酸が原因で消化器症状や神経症状を起こすことがまれにある。 |