デイリー・サプリメントは犬猫の健康維持のために欠かせない必須栄養素。犬猫における給与基準が決まっており、不足したり、与えすぎたりすると病気を引き起こします。
手作り食やペットフードで特に不足しがちな栄養素をピックアップし、食品で上手に補う方法やサプリの選び方についてまとめました。
手作り食で不足しやすい栄養素
内臓肉や生骨、卵を定期的に与えている場合、必要なサプリメントはヨウ素とオメガ3脂肪酸くらい。与えていない場合は、次の栄養素が不足しがちになります。食材やサプリメントで補いましょう。
水溶性の栄養素(ビタミンB群など)は、おしっこと一緒に排泄されやすいため、毎日の食事やサプリメントで補う必要があります。脂溶性の栄養素(ビタミンA・D ・Eなど)やミネラルは体の中に貯蔵できるものが多いため、数日分まとめて与えることができますが、1回分が上限値を超えないよう注意しましょう。詳しくはそれぞれの解説ページをご覧ください。
内臓肉給与ガイド骨給与ガイドペットフードに加えたい栄養素
猫ちゃんで特に気をつけたい栄養素
子猫・子犬で特に気をつけたい栄養素
分類別
脂溶性ビタミンは体内で貯蔵することができるため、数日分まとめて与えることができます。ただし、サプリメントで毒性を起こしやすいのも脂溶性ビタミンです。1日の上限値を守って与えるようにしましょう。
水溶性ビタミンは、おしっこと一緒に排泄されやすく、体内に貯蔵することができないため、1日数回に分けて与えるのが理想的。特に気をつけたいのが熱に弱いビタミンB群です。ビタミンCやコリンは、犬も猫も自分で合成することができるため、病気の時や高齢期、成長期以外は気にする必要はありません。
ミネラルは無機質・灰分とも呼ばれる栄養素。犬と猫の必須栄養素として基準が決まっている12種類のミネラルのうち、手作り食で不足・過剰が起こりやすいものをピックアップしました。
ミネラルも体の中で貯蔵することができますが、カルシウムのように他の栄養素とのバランスをとったり、ヨウ素のように摂取量を安定させるために、毎日与えた方がよいものがあります。詳しくはそれぞれの解説ページをご覧ください。
- 空腹時に与えると気持ち悪くなることがあります。食事に混ぜるか、食後に与えるとよいでしょう。
- 基本的には、水溶性の成分は体外に排泄されやすいため毎日与えるのがおすすめです。油溶性・親油性の成分は、数日分まとめて与えることができます。
- 例外もあるため、獣医師または製品ラベルの指示にしたがって与えるようにしましょう。
- 動物病院で信頼のできる製品を処方してもらうか、GMP基準に従い品質管理をきちんと行なっているメーカーから購入しましょう。
- キシリトール、砂糖、乳糖などの甘味料、パラベンなどの防腐剤、ステアリン酸マグネシウムなどの添加物が不必要に使用されていないか確認しましょう。
食物アレルギーや不耐性がある場合、有効成分だけではなく添加物もチェックしましょう。犬猫用のサプリメントには味付けに牛肉・鶏肉・酵母エキス、乳糖などがよく使用されています。そのほかにも、フィラーとして米粉やトウモロコシ澱粉、脱脂粉乳、ソフトゲルカプセルに豚や牛、魚由来のゼラチンなどが使われていることがよくあります。
カプセルを残してしまう子は、中身を出して食事に混ぜましょう。錠剤は小さくカットします。液体カプセルの場合は、先端をカットして中味だけ与えます。室温に数時間置いておくと吸湿して柔らかくなり、切りやすくなります。
味にうるさい猫ちゃんは食事にサプリを混ぜると食事自体を嫌うようになることがあります。その場合は、食後に別に与えましょう。おやつやスープと混ぜたり、口に直接入れて与えます。喉にカプセルや錠剤がくっつくことがあるので、投与後にシリンジなどで水を飲ませてあげましょう。
サプリメントガイドに掲載している情報は、他に記載がない限り次の獣医学分野の資料および政府公式データベースに基づいています。
- National Research Council (U.S.). Ad Hoc Committee on Dog and Cat Nutrition.: Nutrient requirements of dogs and cats, Rev. edn. Washington, D.C.: National Academies Press; 2006.
- Association of American Feed Control Officials: 2013 Official Publication. Champaign, IL: AAFCO; 2013.
- Hand MS, Thatcher CD, Remillard RL, Roudebush P, Novotny BJ: Small animal clinical nutrition, 5th edn. Topeka, Kan.: Mark Morris Institute; 2010.
- Ettinger SJ, Feldeman, E, Côté, E. Textbook of Veterinary Internal Medicine: Diseases of the Dog and Cat. 8th Ed. (2017) Elsevier, St. Louis.
- Case LP, Daristotole L, Hayek MG, Raasch MF. Canine and Feline Nutrition: A Resource for Companion Animal Professionals. 3rd Ed.(2011) Mosby, Maryland Heights.
- Spitze AR, Wong DL, Rogers QR, Fascetti AJ: Taurine concentrations in animal feed ingredients; cooking influences taurine content. J Anim Physiol Anim Nutr (Berl). 2003 Aug;87(7-8):251-62.
- 文部科学省食品成分データベース
- 米国農務省食品成分データベース