獣医師による手作り食・自然療法ガイド

知っていますか?手作り食の危険性

病気の予防や治療に役立つ手作り食。愛犬や愛猫が幸せそうに食事をしているのを見るのは飼い主にとっての喜びでもあります。でも手作り食には危険性もあることを知っておきましょう。注意しないと、健康のためにと思って始めた手作り食が逆に寿命を縮めることにもなりかねません。

こちらのページには、初心者によくある失敗や、安全に手作り食を実践していただくための注意点をまとめました。

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ペットの手作り食で一番大きな問題となるのがカルシウム不足。動物は人間よりもたくさんのカルシウムが必要です。初期は症状にも血液検査にも現れにくく、数ヶ月~数年かけて気づかないまま病気が進行して行きます。自分のワンちゃんやネコちゃんには1日にどれだけのカルシウムが必要かきちんと知っておきましょう。

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食中毒・感染症

「犬や猫は胃酸が強力だから多少腐っていても大丈夫なんですよね?」とよく尋ねられるのですが、残念ながらそうとは言い切れません。手作り食を食べているペットが病院を受診する理由で一番多いのは、嘔吐や下痢などの食あたり症状です。衛生管理には十分気をつけてあげましょう。

生食における食中毒・感染症予防ガイド
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与えてはいけない食物

人間の健康にはよいものであっても、犬猫にとっては害になるものがあります。与えてはいけないものを事前に知っておく必要があります。

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炭水化物の与えすぎ

犬と猫は肉食動物から進化しました。米、小麦、大麦、オーツ麦、コーンなどの穀物や糖質の多い芋類の与えすぎは体の負担になります。

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生食ではなく、加熱調理した手作り食加工品を与えている犬猫に多いのがチアミン(ビタミンB1)の不足。加熱や食品添加物の亜硫酸などによって壊れてしまうのが原因です。また、魚の内臓にはチアミンを分解してしまう酵素が多く含まれているものがあります。

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ヨウ素は甲状腺の機能に欠かせない栄養素ですが、猫ではヨウ素の給与量を一定に維持することが推奨されています。ヨウ素の濃度の変動は、猫の甲状腺機能亢進症を引き起こす原因の一つとして疑われているためです。

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歯磨き

手作り食は虫歯にならない…と聞いて切り替える飼い主さんが時々いらっしゃいます。これは間違い!特に歯の隙間が狭い小型犬は要注意です。

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その他の注意点

病気になる前に知っておいて欲しかった…!獣医師が日々痛感していることをリストアップ。

獣医師が見た真実「手作り食にすれば病気にならない」は本当?獣医師が見た真実「手作り食にすれば病気にならない」は本当?手作り食が血液検査値に及ぼす影響