Althaea officinalis
マーシュマロウは消化管から気道、まぶた、膀胱や尿道まで、体中の粘膜を保護し、正常化してくれるハーブです。粘膜の炎症を伴う犬猫の病気は非常に多いため、私たちが処方するリキッドハーブの半分以上にマーシュマロウがベースとして使われています。
内服で使われるのは粘膜を保護する粘液質成分(ミューシレージ)がもっとも豊富な根。葉は外用に使うことがあります。
五味五性:甘・苦・涼
主な作用
- 粘膜をおおって保護する
- 潤す
- 抗酸化・抗炎症
主な有効成分
- 根:ミューシレージ・アスパラギン・タンニンなど
- 葉:ミューシレージ(少量)・フラボノイド・フェノール類など
どんなときに与えればいいの?
- 粘膜の炎症を伴う疾患:口内炎、口腔潰瘍、乾性咳、気管支炎、尿路疾患、膀胱炎、胃炎、食物アレルギー、炎症性腸疾患、ドライアイなど
- 栄養吸収障害が疑われる犬猫にベース剤として。消化管を修復することで他のハーブの吸収を助けます。
- リーフエキスは外傷、破裂した膿瘍、潰瘍、やけどなど、開放性創傷の湿布剤に
与える量の目安
- ミューシレージが一番豊富
- 体重 10 kg あたり0.5〜1.5 mLを1日2〜3回に分けて
- 便の様子をみながら量を加減してもよい。
- アルコールはミューシレージを壊してしまうため、アルコールチンキは避ける。
- 体重 1 kg あたり 25〜300 mgを1日2〜3回に分けて
- 便の様子をみながら量を加減してもよい。
- マーシュマロウ・ルート小さじ1に水 1 カップを加え常温で2〜3時間または冷蔵庫で一晩置く
- ミューシレージを壊さないようお湯は使わない
- 体重 10 kg あたり1/4〜1/2カップを1日2〜3回に分けて
安全性と注意点
マーシュマロウは非常に安全なハーブです。理論的には大量に投与すると他の薬剤や栄養素の吸収を妨げる可能性があります。
- Wynn & Fougère. Veterinary Herbal Medicine. Mosby 2006.