獣医師による手作り食・自然療法ガイド

セレン

 抗酸化   免疫   膵臓   甲状腺 

抗酸化ミネラル

セレンは、グルタチオンペルオキシダーゼという体をフリーラジカルから守る重要な酵素の構成成分です。グルタチオンペルオキシダーゼはビタミンEと一緒に働いて細胞膜の脂質成分の酸化を防いでいます。

十分量のビタミンEが存在するとセレンの必要量は減り、セレンが十分にあるとビタミンEの必要量が減ります。

甲状腺や膵臓、免疫系の健康にも

セレンは甲状腺ホルモンと甲状腺ホルモンの材料であるヨウ素の代謝や膵臓、免疫系の健康にも重要な役割を果たしていると考えられています。

「マイクログラム」という低い濃度で必要とされる微量元素であるため、魚、肉、卵、内臓肉を普通に食べていれば、不足することはありません。肉や卵に比べると、ブラジルナッツや魚介類に含まれるセレンは吸収率がやや低くなります。

犬では与えすぎにも気をつけましょう。サプリメントではなく食材で補うようにすれば安全です。猫は、セレンを尿中に排泄する能力が犬よりも高く、体内に蓄積しにくいため、セレン中毒を起こしにくくなっています。

給与量の目安(1日分)

体重 5 kg 10 kg 15 kg 20 kg 25 kg
目安 30 µg 60 µg 75 µg 90 µg 110 µg
上限 210 µg 360 µg 480 µg 600 µg 710 µg

体重 3 kg 4 kg 5 kg 6 kg 7 kg
目安 15 µg 18 µg 20 µg 24µg 27 µg

※猫では上限値が設定されていません。
※避妊去勢済み・普通の運動量の場合。給与量は、ライフステージ、運動量などによって変わります。こちらのページから正しい量を確認しましょう。

食品中のセレン

食品(100 g 中) セレン(µg)
ブラジルナッツ 1917
かつおぶし 320
豚腎臓 240
牛腎臓 210
マガレイ 110
マグロ赤身 110
カツオ(秋) 100
サバ 70
豚レバー 67
鶏レバー 60
ブリ 57
卵黄 56
魚類全般 10〜110
肉類全般 10〜30
腎臓肉がもつ抗炎症作用はセレンのおかげ?

セレン酵母とは
セレンが豊富な培養液で酵母菌を培養し有機セレン(セレノメチオニン)を合成させたもの。有機セレンは無機セレンよりも吸収率がよいのに毒性が低いため、家畜飼料やベジタリアン食に使用されてきました。酵母を除去して有機セレンのみを精製したサプリメントと酵母ごと配合したサプリメントがあります。

セレン ➜ 食品換算