目・皮膚・被毛の健康 成長 細胞の分化 免疫 骨の再吸収 脂溶性ビタミン
過剰摂取に気をつける
猫は人参をビタミンAに変えられない
必要量をきちんと取りながら、過剰摂取にも気をつける必要のあるのがビタミンAです。
レバーを週に数回与えている場合は、サプリメントは必要はありません。肝油、卵などからも摂取することができます。
内臓肉給与ガイドにんじんなどの緑黄色野菜は体内でビタミンAになるベータカロテン等のカロテノイド化合物が豊富です。犬はカロテノイドをビタミンAに変換することができますが、カロテノイドの吸収効率はビタミンAの半分程度です。
猫はベータカロテンをビタミンAに変えることができません。動物性食品由来のビタミンAを与えるようにしましょう。
ビタミンAは、目の健康や免疫系、皮膚・被毛・粘膜の維持と保護、骨の成長と再吸収、精子形成、発情周期に重要な役割を果たしており、不足するとドライアイ、夜盲症、被毛の質の低下、皮膚炎、発情周期異常などを起こします。ビタミンAは肝臓に多量に貯蔵されているので、不足がかなり長期に及ばないと症状は現れません。初期には食欲不振、体重低下などの非特異的な症状が主です。
過剰量の投与では、骨折や内出血、脊椎症、歯の脱落、皮膚の肥厚、脂肪肝、肝機能および腎機能の低下、催奇形性などが報告されています。人参などの野菜類の与えすぎでビタミンA過剰症が起こることはありませんが、肝油やレバーの与えすぎには気を付けましょう。
給与量の目安(1日分)
犬
体重 | 5 kg | 10 kg | 15 kg | 20 kg | 25 kg |
---|---|---|---|---|---|
目安 | 140 µg (480 IU) |
240 µg (800 IU) |
320 µg (1080 IU) |
400 µg (1350 IU) |
470 µg (1580 IU) |
上限 | 6,000 µg (19000 IU) |
10,000 µg (33000 IU) |
13,700 µg (45000 IU) |
17,000 µg (56000 IU) |
20,000 µg (66000 IU) |
猫
体重 | 3 kg | 4 kg | 5 kg | 6 kg | 7 kg |
---|---|---|---|---|---|
目安 | 50 µg (160 IU) |
60 µg (200 IU) |
70 µg (230 IU) |
80 µg (270 IU) |
90 µg (300 IU) |
上限 | 4800 µg (15000 IU) |
5900 µg (19000 IU) |
7000 µg (23000 IU) |
8000 µg (26000 IU) |
9000 µg (30000 IU) |
※1 µg は約3.3IU。
※避妊去勢済み・普通の運動量の場合。給与量は、ライフステージ、運動量などによって変わります。こちらのページから正しい量を確認しましょう。
食品中のビタミンA(参考)
食品(100 g 中) | ビタミンA |
---|---|
肝油(タラ) | 30,000 µg(100,000 IU) |
鶏レバー | 14,000 µg(46,662 IU) |
豚レバー | 13,000 µg(43,329 IU) |
牛レバー | 1,100 µg(3,600 IU) |
人参 | 720 µg(2,399 IU) |
卵黄 | 480 µg(1,600 IU) |
ビタミンA ➜ 食品換算
ビタミンA単位換算機
食品中のビタミンAや犬猫の栄養基準では「µg」または「RE」で、サプリメントは「IU」で表示されていることが多くなっています。