補因子 免疫 代謝 発育 皮膚の健康
幅広い生体機能に必要
亜鉛は、生体内の200種類以上もの酵素の機能必要とされる微量元素で、栄養素の代謝、DNA合成、タンパク質合成から免疫系の健康、生殖機能、味覚まで、非常に多岐にわたる生理機能に関わっています。オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸の代謝経路に使われる酵素にも亜鉛が必要です。
穀類やカルシウムの与えすぎに注意
亜鉛は、赤肉やレバー、牡蠣、小麦胚芽など、さまざまな食品に少量ずつ含まれています。植物性食品由来の亜鉛の方が吸収率が低く、穀物に多く含まれるフィチン酸や食物繊維は亜鉛の吸収を妨げます。カルシウムサプリメントの与えすぎも亜鉛の吸収を阻害するので気をつけましょう。
赤肉(牛・ラム)と生骨を与えていれば、通常は不足することはほとんどありません。お肉に豊富に含まれるアミノ酸は、亜鉛の吸収を助けています。ただし、ハスキー、サモエド、マラミュート、ブルテリア、グレートデーン、ドーベルマン・ピンシャーなど、生まれつき亜鉛の吸収や代謝の異常が起こりやすい犬種や成長の早い子犬では注意が必要です。
給与量の目安(1日分)
犬
体重 | 5 kg | 10 kg | 15 kg | 20 kg | 25 kg |
---|---|---|---|---|---|
目安 | 6 mg | 10 mg | 13 mg | 16 mg | 19 mg |
上限 | 100 mg | 180 mg | 240 mg | 300 mg | 350 mg |
猫
体重 | 3 kg | 4 kg | 5 kg | 6 kg | 7 kg |
---|---|---|---|---|---|
目安 | 3.5 mg | 4.5 mg | 5 mg | 6 mg | 7 mg |
上限 | 95 mg | 118 mg | 140 mg | 160 mg | 180 mg |
※避妊去勢済み・普通の運動量の場合。給与量は、ライフステージ、運動量などによって変わります。こちらのページから正しい量を確認しましょう。
食品中の亜鉛(参考)
食品(100 g 中) | 亜鉛(mg) |
---|---|
小麦胚芽 | 15.9 |
牡蠣(水煮) | 14.5 |
牡蠣(生) | 13.2 |
酵母フレーク | 7.8 |
煮干し(カタクチイワシ) | 7.2 |
まいたけ(乾燥) | 6.9 |
豚レバー | 6.9 |
牛肉 | 6.4 |
ラム肉 | 5.0 |
牛レバー | 3.8 |
亜鉛 ➜ 食品換算
亜鉛欠乏症と過剰症
亜鉛が不足するとどうなるの?
亜鉛はタンパク質やDNAの合成に必要なミネラルです。不足すると、新陳代謝が盛んで細胞が絶えず生まれ変わっている組織に最初に症状が現れます。これには、皮膚や被毛、腸管、免疫系、生殖器などが含まれます。
最初に気付きやすいのは、皮膚の変化です。被毛のツヤの低下や脱毛、フケ、かゆみから始まり、毛色の退色、皮膚の硬化や肥厚(錯角化症)、皮膚感染などが現れるようになります。顔面やヒジ、カカト、肉球に現れやすくなっています。これに比べると、腸管や免疫系、生殖器への影響は目に見えにくいかもしれません。
亜鉛を与えすぎるとどうなるの?