獣医師による手作り食・自然療法ガイド

癒しのボーンスープ

人も犬猫も家族みんなで楽しむごはん

残り物やお肉屋さんで捨て値で売っている骨を利用して、抗炎症効果の高いスープを作りましょう。健康な時にはもちろん、病気で食欲がない時や病気の回復期にもお勧めです。

こんなときにおすすめ
  • 毎日の食事を温めるときに
  • 絶食・デトックスが必要なときに
  • 食欲不振時・疾患からの回復期に
  • 関節炎・骨折からの回復に
 時間:準備 10分・煮込み 12〜24時間   犬レシピ |  猫レシピ |  作り置き |  人犬猫共通 

材料

鶏・牛・ラムの骨・魚のアラ1〜2 kg
大さじ2〜3
野菜の残り物・ヘタ適宜(なくてもよい)
パセリ、ローズマリーなどのハーブ 適宜(なくてもよい)
注意
玉ねぎ・長ネギなどのネギ類は使用しないこと。

作り方

  1. 骨を流水で洗い、脂肪がたくさん付いている場合は取り除きます。牛や羊の骨など大きなものは、購入時にカットしてもらうかかなづちで割って、鍋に入る大きさに。オーブンやグリル(180℃)で焼くと割りやすくなり、余分な脂を落とすこともできます。
  1. 大鍋に骨、酢、ぶつ切りにした野菜を入れ、吹きこぼれない程度に水をたっぷり加えます。
  2. 強火で加熱し、沸騰したらアクを取り、ごく弱火にしてから蓋をややずらして置き、12~24時間煮込みます。鶏や魚は12時間、牛・ラムなどの大きめの骨は24時間を目安に。水が少なくなってしまったら材料がかぶるくらいまで足します。
  1. 最後にパセリなどのハーブを加えて火を止め、10分ほど置きます。

  2. ザルや料理用ガーゼで濾して、骨や野菜を取り除きましょう。

  1. 冷蔵庫で冷まし、浮いて固まった脂を取り除きます。人用の分は取り除く必要はありませんが、動物は加熱した脂肪を摂りすぎると膵炎を起こすことがあるので注意が必要。長期の病気療養中で、食事の代わりとして与える場合は脂肪がカロリー源になるためそのままでもOK。

脂肪の下にあるのがゼラチン質たっぷりのボーンスープ。冷やすとぷるぷるのゼリー状に。

煮詰めて水分を少なくするほど固くなります。薬を埋め込んで与えるのにも使えます。

MEMO
すぐに使わない分は小分けして冷凍保存しましょう。冷蔵保存する場合は1週間以内を目安に。
犬・猫
  • 冷ましてからそのまま、または薄めて飲み水の代わりに。
  • 毎日のご飯にスプーン1〜3杯ずつ混ぜて。
  • 小鍋で温めて毎日の食事を適温に温めるのにも使えます。
  • 消化器系が弱っている際には、溶き卵、鶏のささみなどを加えておかゆにし、体温程度まで冷ましてから与えます。
  • 漢方などの粉薬を与える際に、少量のスープに溶かして飲ませるか、シリンジなどで与えます。固まったゼラチンに埋め込んでそのまま食べさせても。
  • そのまま、または塩こしょうや溶き卵、ハーブを足してスープとして。
  • 鍋やカレー、麺物、雑炊、煮込み料理に。
  • 風邪をひいたときには、生姜やこしょうを加えて温めて飲みます。
  • デトックスに。食べ過ぎや飲み過ぎが続いたら、夕食をボーンスープに置き換えて。腸を一晩休めることで体を中からリセットします。
  • 毎日の健康維持に。
  • 食欲がない時のエネルギー源として。
  • 下痢の時に・・・下痢による脱水症状を防ぎます。下痢をしている時は、腸管を自己修復させるため1~2日間の絶食を行いますが、その際の水分補給になるだけでなく、腸管粘膜を修復することで早い回復を促します。
  • 腎不全、がんなど、水分を少しでも多く摂取してほしい慢性疾患に。
  • リーキーガット、炎症性腸炎が疑われる場合に。
  • 関節炎、骨折の治癒促進に。
  • ボーンスープは天然の電解質溶液。さまざまな理由による脱水を緩和します。
  • 関節部分から溶け出したゼラチンがダメージを受けた腸管を修復。下痢からの回復期や、食物アレルギー・不耐性が疑われる際に。
  • コンドロイチングルコサミン、ゼラチンが関節炎の症状を緩和、関節疾患を予防します。
  • お酢の作用で骨から溶け出したカルシウム、マグネシウム、リン、シリカなどさまざまなミネラル成分が丈夫な骨を作り、骨折後の治癒を助けます。
  • ゼラチンにはグリシン、プロリン、アルギニンなどの抗炎症効果が高く、消化や解毒を助けるアミノ酸が含まれています。グリシンは発作やけいれん、脳損傷を防ぎます。
  • 体を温めることで、免疫など体のさまざまな機能を高めます。
  • がんや慢性腎臓病など、貧血や免疫抑制が起こる慢性疾患に。赤血球やリンパ球の産生の場である骨髄は、これらの細胞を作るのに必要な物質がたくさん含まれています。
  • 骨が手に入らない場合は、鶏の手羽先、ネック、足などでも代用できます。
  • 酢を加えることで、骨や骨髄からさまざまな成分を引き出すことができます。
  • 冷やしてもゼリー状にならない場合は酢を多めに入れましょう。最後に残った水分が多すぎても固まりません。魚や鶏よりも、豚、牛、ラム、鹿など、大きめの骨の方がぷるぷるになりやすいでしょう。
  • 骨から溶けでるカルシウムの量は一定ではありません。カルシウム源として頼るのはやめましょう。

こちらもおすすめ
絶食のススメ突然の下痢・・・自宅でできることは?健康バランスの鍵!腸の修復ガイド