野菜(食物繊維)
野菜には、抗炎症作用や肝保護作用、解毒作用のあるさまざまな成分が含まれており、野菜に含まれる食物繊維は肝臓と胆嚢の健康に役立ちます。薬膳野菜を積極的に取り入れましょう。
与える量の目安は、犬は食事全体の30〜50%、猫は10〜20%です。
- 腸内で細菌毒素や窒素を吸着して、肝臓の負担を減らす。
- 腸内に残った胆汁酸の再吸収を抑制し、代わりに毒性の低い胆汁酸の産生を促す。
- プレバイオティック繊維は窒素を利用する腸管の善玉菌を増やすことで肝臓の窒素処理量を低下させる。
- 腸管内を酸性化し、アンモニアを生成する細菌の増殖を抑制。
- 便秘を防いで、毒素を腸管に滞らせない。
- 炭水化物が多い食事でも血糖値の急激な上昇を抑える。
おすすめの野菜・果物
- ケール、ほうれん草、春菊、サラダ用タンポポの葉などの緑色葉物野菜
- パセリ
- アスパラガス
- アーティチョーク
- 菜の花・小松菜
- セロリ・レタス
- りんご
- ブルーベリー
- ビーツ
- ラディッシュ
ビタミン・ミネラル
普段から内臓肉や生骨でビタミンやミネラルをバランスよく与えている場合は、特に変更する必要はありませんが、次のビタミンやミネラルには特に気をつけましょう。
不足に気をつける
過剰摂取に気をつける
与え方
- 1日数回に分けて少量ずつ与えると肝臓の負担を減らすことができ、消化器症状も抑えることができます。
- 症状がある時は、生肉や刺身を控え、軽く調理したものを与えましょう。
検査結果や体重を測定しながら調節する
肝酵素値だけをあてにしない!
肝臓の機能や回復の程度は、肝酵素値の変化では知ることができません。肝酵素は肝細胞や胆管が障害された時に放出または合成が刺激されるもので、肝臓の機能自体を測るものではないためです。例えば、炎症の初期には細胞がたくさん破壊されるために肝酵素値が大きく上昇しますが、正常な肝細胞もたくさん残っているため、肝臓の機能は正常です。炎症がおさまり、肝臓が治癒・再生する頃になると肝酵素値は下がってくるはずですが、実際には高いままのこともよくあります。これは血液中から肝酵素がなくなるまでに時間がかかるためです(特に犬)。そして疾患の末期にも肝酵素値が下がってきます。これは肝臓が回復しているのではなく、肝酵素を放出できる肝細胞がもうほとんど残っていないためです。
肝臓の障害や回復の様子を推し量るには、肝酵素以外の血液検査(胆汁酸、ビリルビン、アンモニア、BUN、アルブミン、コレステロール、血液凝固機能など)や体重測定を定期的に行い、数値の変化をみる必要があります。かかりつけの獣医師とよく話し合い、今どのような状態にあるかをきちんと教えてもらうことが重要です。経済的に余裕があれば超音波検査も定期的に行うとよいでしょう。
体重が増えない・減っていく
- 炭水化物は十分摂取できていますか?できている場合は、タンパク質と炭水化物の割合を守りながら両方を増やしていきましょう。
- 脂質の消化吸収に問題がなければ脂質の量を増やしましょう。脂の多い白身魚や皮付きの鶏肉を利用してもよいですし、相性がよいとわかっている植物油やMCTオイルを少しずつ増やしてあげてもよいでしょう。軟便になったり、ウンチがテカテカしたり、脂肪滴がついている場合は脂肪の消化がうまくできていないサインです。
- 吐いていませんか?食事は少量ずつ与えると、吐き気を起こしにくく、しっかりと消化吸収してもらうことができます。消化力が弱っている場合は、おかゆや流動食にして与えましょう。
肝酵素値が上がっていく場合
黄疸がみられるようになった場合