ステロイドは免疫機能を抑制することでアレルギー反応を抑制します。グルココルチコイド、コルチコステロイド、プレドニゾロン、消炎剤などとも呼ばれます。全身に作用する経口薬や皮膚で局所的に作用するスプレー剤などがあります。
免疫を抑制する薬としては、他にシクロスポリン(アトピカ)もアレルギーの治療に多用されています。
初めて使用する際は、まるで奇跡のように劇的な効果が見られるため、獣医師も飼い主も安易に使用しがちです。しかしこれらの薬剤は免疫系を抑制することで目に見える部分の症状を抑えているだけであって、アレルギーの原因を取り除いたり、アレルギーによって起こる体内のダメージを修復しているわけではありません。使用をやめれば症状は再発します。そのため、何度も繰り返し使用したり、長期の間使用することになります。
抗生物質は、細菌や真菌による感染を予防または治療するために処方されます。量が足りなかったり、期間が短かったりすると、完全な効果が得られないため、獣医師に指示された通りの量と投与期間を守るようにしましょう。副作用は、乳酸菌など腸の善玉菌も殺してしまうこと、長期の使用により耐性菌が生じ効果が得られなくなることです。そのため、抗生物質の使用後にはプロバイオティクスを投与すること、長期投与が必要な場合には、種類を切り替えながら耐性菌の発生を防ぐことが重要です。
免疫抑制剤と抗生物質の効果的な使い方は、症状を一時的に抑え、その間にアレルギーの原因を取り除き、食事療法やサプリメントなどを使用して、アレルギーに対する抵抗性を高めることです。そうすることで、これらの薬剤の量を徐々に減らし、いずれは投与しなくても再発しなくなります。
もし、かかりつけの獣医師がそういった指導をせずに、症状が再発したり悪化するたびにこれらの薬剤の使用を繰り返すようなら、別の動物病院に相談しましょう。
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